お仏壇のホントのこと

●お仏壇は死者(亡き人)を祀るところ!?

昔はどこのお家にもあったお仏壇が最近では、お仏壇がないお家も増えてきました。田舎から都市へ人口の流動化が加速する中でこういう現状も出てきたのが現代だと思います。

お仏壇のない家庭にたずねますと、「まだ死んだ人が出ていないから…」と答えが返ってきます。そうしますと、家族の誰かが亡くなってから始めてお仏壇をもとめるとお考えになっているということが分かります。もっと言えば、

お仏壇が亡き人や先祖をお祀りするところだと思われています。

でもはたしてそれが正しいのでしょうか。お仏壇は文字通り、仏様をご安置させていただく壇のことです。仏様とは阿弥陀如来のことです。

阿弥陀如来は、ちょっとのことで迷い、悲しみ、悩み苦しむ私たち1人1人にむかって、常に「南無阿弥陀仏」と声の仏となっていつでも、どこでも、誰にでも常に寄りそい、「大丈夫、心配するな。あなたを決して見捨てることのない親はここにおるぞ、安心してわたしにまかせなさい」と呼び続け、はたらき続けて下さっているのが如来さまです。

つまりお仏壇のほんとは、私の拠りどころとなり、家庭の中心となるものです。ですから「亡くなった人が出て始めて…」というのではなく、1つの家庭には如来さまをご本尊とするお仏壇をお迎えして、お家の中心としていただければと思います。

 

●ポイント

お仏壇は、亡き人を祀るためにあるのではなく、如来さまをご本尊として家庭の中心にお迎えして、私たち1人1人のためにあるものです。

家ごとにお仏壇をお迎えし、如来さまをご安置させていただきましょう。

お葬式のホントのこと

○お葬式の日取り(友引は友を引く!?)

よく「友引の日にお葬式はしない」という風潮はよく見かけます。なぜ「友引を避けるのですか」とたずねると、「友引の日にしたら友を引くから…」と言われます。これは全く他愛のない俗信で、仏法の因果の道理とは全く関係がありません。

「友引」は、日の吉凶をいう「六曜」の1つですが、「友引」は元々「共引」のことで、「共に引き合って勝負なし」のことでつまり「良いも悪いもなし」ということですから、気にすることは1つもないわけです。

中には、「自分は良いが、周囲が気にするので…」とも耳にします。お気持ちも分かりますが、これは正しい受け止めはいえません。ですから、気にされる方には、気にしなくても良いということを説明して、安心させてあげていただきたいと思います。そのことがお念仏のお法りに生きる門信徒の姿勢かと思います。葬儀に限らず、根拠のないことに惑わされ、振り回されるのではなく確かなご法義をお聴聞させていただきたいものです。

またお葬式の日取りについても、先ずご縁のあるお寺(お手次ぎ寺)の住職さんにご相談してから決めることが正しいあり方だと思います。

 

●ポイント

「友引にお葬式をしてはいけない」というのは、全く気にする必要はありません。

お葬式の日取りは、先ずお寺へ相談してから決める。